2013年10月29日

【東日本大震災】レポートNo.231

9月末から、再び岩手県に増島のレポートをお届けします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  2013年10月
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今回の岩手訪問では、「まけないぞう」を応援してくれているmakenaizoneの編集長田中幸子さん(上智大学名誉教授)が初めて被災地にぞうさんの作り手さんに会いに来てくれました。現在、田中さんはアイルランドに在住し、遠く離れていてもそんなことを感じさせないパワーで、世界各地に「まけないぞう」の輪を広げてくれています。田中さんはお手製のアルバムを携え、被災地入りしました。そのアルバムには世界から、もちろん日本からも応援して下さる仲間たちのメッセージがたくさんつまっていました。

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 一日目。大船渡へ訪問しました。地域でリーダー役をしていて、いつも地域の人たちのことを気に掛けてくれているこの女性は、自宅は流されずにすんだものの、旦那さんが経営するワカメ工場を流され、この2年半必至で、工場の再建をしてきました。この春に政府のグループ補助金などをつかってやっと再建した矢先、旦那さんが脳梗塞で倒れました。「きっと疲れが出たんだろう」と・・・。彼女もたくさんの苦しみを抱えていました。チリの津波のときにも被災し、そのとき配給で配られた魚肉ソーセージの味は一生忘れられないと涙ながらに語ってくれました。そして、今回の津波により、被害に遭わなかった、集落の公民館で住民や商店からお米の寄付などを頂いて、みなさんに配給しながら、直後の大変な時をくぐり抜けてきました。今では仮設に入った人たちへの心のケアや、一人暮らしの男性へのサポートなど行っています。ご本人も大変な状況のなかで、必至でこの2年半の時を過ごしています。
 そんな所へ、田中さんが届けてくれた、アルバムを終始笑顔で見つめ、話しに聞き入る姿は、普段の辛さを忘れさせてくれる一時でした。

大うけ_s.jpg

 午後からは、陸前高田市の仮設住宅にお邪魔しました。ぞうさんの作り手さん3人組が首を長〜くして待ってくれていました。一人は84歳の女性です。ちょうど少し前に白内障の手術を受けて、最近ぞうさん作りを復活したそうです。手術からの10日間は、針仕事ができないので、退屈で退屈で仕方なかったそうです。先生からの許可を頂いて、ぞうさん作りを再開しました。田中さんはここでもアルバムを見せて、これまでの経緯や多くの人たちが応援してくれていることを伝えました。

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だんなさん_s.jpg

青木先生_s.jpg

私が行くと、いつも「まだぞうさん作っていていいの?、もう終わりかと思ったよ」と心配してくれます。でもアルバムを見て、みなさん大喜びです。「こんなに応援してくれるのなら、また馬力かけて作らなくちゃね」と大張り切りです。田中さんも、初めてまけないぞうづくりにチャレンジです。

必至です_s.jpg

お隣では、作り手さんもぞうさんを作って見せてくれました。とっても丁寧に愛情込めて作ってくれています。

松野さん_s.jpg

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田中さんも、指導を受けながら何とか完成!そのぞうさんをみて、作り手さんが「やっっぱりかわいいね〜」とぞうさんにチュッと。。。。田中さんのお陰で、日頃の辛いことを忘れさせてくれる楽しい一時でした。今度回収にいったら、またたくさんのぞうさんが出来ていることでしょう。(つづく)

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チュッ_s.jpg
posted by 被災地NGO恊働センター at 11:16| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月20日

【東日本大震災】レポートNo.230

9月末から、再び岩手県に増島のレポートをお届けします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  2013年10月
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 最近、被災地では、道路や防波堤など公共事業に関する工事が多く、道路はトラックが行き交い事故も多発しています。2年半を過ぎ、被災者の人はごくわずかではありますが、災害復興住宅に移ったり、自力再建をした人もいます。限られた人にしか挨拶もせず仮設を出ていく人たち・・・。自分だけ、申し訳ない、後ろめたさを感じながら・・・でも本来ならば新しい一歩を踏み出すことにお互いに笑顔で見送ったり、見送られたりするはずですが、いまの被災地ではなかなかそれができません。なぜでしょう?

三陸道_s.jpg

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 公共工事はみるみる進み、山は削られ、海はコンクリートで埋め尽くされ始めています。しかし、終の棲家となる住宅に関しては、遅々として進まず、行政は土地の確保が難航しているという。それなのに、道路を造るための土地の確保はあっという間に進んでいく。おかしいと思うのは私だけでない、当事者である被災者はつぶやく。「あの津波で防波堤なんか流されたのに、またそれを最初に造っている、どうせ流されるのに・・・」「行政に聞いたら、役場の金庫にはお金はないと言われた、でもどんどん大きな施設の建設は進んでいる」「どうせオリンピックに人手も資材も取られて、こちらの復興はまた遅れる」。
被災者の人たちは言いようのない不安が募り、他人を思いやる気持ちの余裕すらなくなっているのです。

 阪神・淡路大震災から3年目に私たちKOBEの人たちは「市民がつくる復興計画 私たちにできること」(市民とNGOの「防災」国際フォーラム実行委員会 発行)を提言しました。その本の"はじめに"の部分に以下のように記してあります。
「3年間の復興事業は、高速道路や港の岸壁を元どおりにしたが、生活再建の視点から見れば、文化も福祉も経済も住宅も、大地震の前に比べて落ち込んだままだ。政治家や官僚が考える復興と、私たちが願う復興はどこか違っているのではないか。大地震から4年目に入っても地震災害は進行している。いま、市民が求める復興の姿を描き出さなければならない」。

いま東日本の被災地をみていると、阪神・淡路の復興の過程をさほど変わりはないように思えます。なぜ、また同じように被災者の声を丁寧に聞かないで、政治家主導の復興が進んでいるのでしょうか?KOBEのような同じ過ちは繰り返してほしくない。被災地に来ると、どうしても3.11から1.17へと想いを巡らせてしまいます。私たちにできることは何かを考える日々です。
 
 もうがんばれないくらい、被災者の人たちは追い詰められているような状況です。でもきっと人はそんなに弱くないはずです。足踏みしながらでも前に進むしかないんでしょうね。それぞれの歩幅にあわせて、焦らずゆっくりと着実に笑顔を絶やさずに・・・明けない夜はないはずだから。

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posted by 被災地NGO恊働センター at 10:53| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月07日

映画「3.11ここに生きるーIN THE MOMENT」上映のご案内

「まけないぞう」が出演させて頂いている映画「3.11ここに生きるーIN THEMOMENT」我謝京子監督作品が神戸で上映されます。女性監督ならでは、福島、宮城、岩手、そして神戸の被災した女性にフォーカスをあて、生きることの意味を考えさせられたり、私たちに元気や勇気を与えてくれます。ぜひ、お近くの方はお越し下さい。

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神戸女学院大学 女性学インスティチュート主催 公開上映会
ドキュメンタリー映画「3.11ここに生きる−IN THE MOMENT」
 もう過去には戻れない。 だから、前を向いて 今を、生きていく。

監督:我謝京子
 2011年10月、東日本大震災で女性たちのドキュメンタリー映画「3.11ここに生きる」を完成。第24回東京国際女性映画祭でのワールドプレミア受賞。その後も取材を続け、2012年3月に第2弾を完成。既に日本各地、台湾、韓国、インド、カナダ、イタリア、フランス、アメリカ各地で上映会開催。「被災地に生きる女性たちの心に迫ったドキュメンタリー作品」として高い評価を得ている。

上映日時:2013年10月16日(水)
       16:40〜18:10 上映
       18:10〜19:00 我謝監督と本学学生による質疑応答
会 場  :神戸女学院大学 LAT-21
入場料  :無料・申込不要
お問合せ先:神戸女学院大学 女性学インスティチュート
        TEL:(0798)51-8545
        FAX:(0798)51-8527
        〒662-8505 西宮市岡田山4-1
        e-mail:wsi-o@mail.kobe-c.ac.jp
posted by 被災地NGO恊働センター at 11:53| ニュース・情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする