2014年04月24日

【東日本大震災】レポートNo.239

被災地NGO協働センターです。
2月末から、再び岩手県に入った増島のレポートをお届けします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 3月 神大ぞう交流会 
…………………………………………………………………………………
 今回3月の岩手訪問では、初の試みとなった神戸大学東北ボランティアバスの学生とまけないぞうの作り手さんの交流会が行われました。神戸大学では3.11からボランティアバスを岩手県に走らせ、学生ボランティアを被災地に派遣しています。今回は、その学生が活動に入る前にまけないぞうの作り手さんと交流し、まけないぞうの意義や作り手さんから被災地の状況などを聞く機会を持ちました。

たかこさん_s.jpg

よしこさん_s.jpg

 作り手さんは、仮設住宅、復興住宅、自力再建した人などそれぞれの立場からご参加頂き、まけないぞうとの出会いや想いを語って頂きました。学生はこれまで被災地でまけないぞうや足湯を通して、被災者の方たちと交流を重ねてきましたが、「正直、まけないぞうは飽きてきた。なんでずっと作り続けているんだろう」という率直な意見を交流会を持つ前までは感じていたそうです。
 学生は作り手さんと交流して、「ぞうさんは、ただかわいいだけだと思っていたけど、愛着をもってやっているんだ」「ぞうさんへの愛情が凄くて伝わってきて、買った人にもその想いが伝われば」「ぞうさんを何回か作っているんですが、それだけの想いを込めて作っているのを初めて感じた」などの感想をくれました。

うめさん_s.jpg

やまださん_s.jpg

 復興住宅の作り手さんと交流したチームは、いまはイベントもなく、住民との交流がないという復興住宅の現状を聞きました。仮設住民の人と交流したチームは、「仮設に入った当初のコミュニティづくりのきっかけだけだと思ったけれど、まけないぞうがきっかけで自分の辛かったことを忘れ、元気になり生きがいになっているんだと思った。一人の人間の命をつなぐものなんだと思った。これから本気だして、ぞうさんを作ろう」と感想をくれました。また、「ぞうさんを作るようになって、夜眠れないことがなくなった」と作り手さんが話してくれました。また仮設での現状として、「集会所が近くにあっても使い勝手が悪く、住民同士で管理していた時のほうが使いやすかった。ふとしたときに使えないのが不便だ」という意見も聞かれました。
自力再建された作り手さんから話しを聞いたチームは、まけないぞうという名前について聞いたそうです。「まけないぞうという名前がいい!がんばるぞうだと何をまだがんばれというの?という気がする。まけないぞうなら、勇気を持って生きて行ける。津波後、ぞうを作ることで時間を忘れる」という話しを作り手さんから聞いて、まけないぞうはタオルをくれた人、作る人、買う人がいてみんながつながっているんだと、感想をくれました。
 
吉里吉里復興住宅_s.jpg

交流会_s.jpg

 まけないぞうは「家族」「お嫁に行かせる気分」と作り手さんは話しています。
交流会での作り手さんのメッセージを紹介します。
「この繋がりを長く続けて、後輩にもつなげ、国内外にまでつなげて欲しい」
「学生さんにはただぞうを作って眺めるよりも、自分の好きなぞうさんを作って可愛がってあげてください。ぞうは家族です」
「みなさんがおっしゃられたようにぞうさんは家族であり、お嫁さんだったりする。私のような身障者でも作れるので、目の悪い人にも紹介して欲しい。このぞうを通して世界が広がるので、外に出てこれない人たちにも伝えて欲しい」
「ぞうさんを作った後、想いを込めて作ったぞうさんと別れるのが淋しいから、回収されると涙が出ます。他の人にもぜひ縫って欲しいなと思います。これだけは、仮設を出ても復興住宅でも作りたい。他の手芸よりもぞうさんがいい。泣いてみたり、思い出してみたりしながら作っています。」

 学生さんも作り手さんの生の声を聞いて、まけないぞうに込められた想いを改めて感じたそうです。作り手さんも違う地域の方たちと交流できてよかったという感想を頂きました。またぜひ次の機会につなげていこうと思っています。まけないぞうは人と人をつなぐメッセンジャーなんだとつくづく感じました。神戸大学のみなさん、作り手さんありがとうございます。

記念撮影_s.jpg

〜まけないぞうからお願い〜
現在、まけないぞうの販売が低迷しています。ぜひ販売へのご協力をお願い致します。3年を迎えた被災地では、目に見えない問題が山積みで、精神的にも追い込まれている人たちが多くいます。その癒しのひとつである、まけないぞうにご協力頂けたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。
posted by 被災地NGO恊働センター at 08:44| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月15日

【東日本大震災】レポートNo.238

2月末から、再び岩手県に入った増島のレポートをお届けします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 3月 つるしびな 
…………………………………………………………………………………
 今回遠野に訪れたときは3月で、まだ雪深く、真っ白な原野にローカル電車がコトコト走っていました。着いた日は留守宅の雪かきからはじめました。溶けて凍った雪は重く、固く身体に応えました。雪かきを終えて向かった先は、つるしびなの展示会場です。遠野の町はつるしびなのシーズンで、いつものように、遠野のぞうさん応援チーム「ふきのとうの会」のメンバーがつるしびなを展示していました。今年のテーマは「一粒のひかり」。リーダーの加代子さん、夫の卓郎さん夫妻がタイトルをつけ、作り手も、見に来る人も、何か希望を持って前に進んで行けたらと、想いを込めてつけたそうです。

釜石線_s.jpg

雪かき_s.jpg

今年のテーマ_s.jpg

 会場には沿岸の被災地から駆けつけた被災者の方が、嬉しそうに作品を眺めていました。
震災の翌年から、ふきのとうの会のメンバーの人たちは、ぞうさんのお手伝いの傍ら、「沿岸の被災者の人にはこれからは生きがいとか、心のケアーが大事だよね」と言って、つるびなを教えて回っています。被災者の人たちが一年かけて作ったつるしびなを3月に遠野で展示します。それを見に来てもらって、遠野と沿岸の人たちとの交流を深めています。

高田_s.jpg

つるしびな_s.jpg

加代子さん_s.jpg

交流会_s.jpg

 はじめて遠野につるしびなを見に来た人もいました。「私はぞうさんに寄せてもらってよかった。遠野に来たのは生まれて初めてだよ。しあわせものだね〜」と。遠野在住で沿岸出身の職員の人も、地元の人が来てくれるということで歓迎してくれました。なかなか距離的にも遠いので、お年寄りや車を持っていない人は、遠野まで来ることはほとんどできません。ちょっと遠いからと二の足を踏んでいた方も帰りには笑顔で「今日は来てよかった」と言ってくれました。年に一度ですが、こうしてまけないぞうがつないでくれた縁は確実に実を結び、みなさんの手で育まれています。
 
ふきのとうの会_s.jpg

南天苦猿_s.jpg

二人_s.jpg
posted by 被災地NGO恊働センター at 17:13| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする