2017年04月10日

【東日本大震災】レポートNo.279

あれから6年、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。
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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  3月14日   
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 街を走るとトラックが多いことにびっくりさせられます。そして、行くたびに道が変わります。土地や道路を高くするため、一度に全部できないので、一カ所を高くして、それが終わるともう一カ所を高くするなど、地道な作業のために毎回道が変わるのです。うずたかく積まれた造成の土地で、道に迷いそうになるときもしばしばあります。
 そんな高台を目指していくと、真新しい家々に辿り着きます。作り手さんの新居です。家に入るとほとんどの人が、「見てみて」と、木の香りが漂うお家を見せてくれます。そのうれしそうな笑顔にこの6年間の辛さを忘れてしまうほど、こみ上げてくるものがあります。走馬灯のようにこの6年間のできごとが頭を駆け巡ります。
 少しずつですが自宅の再建が進みつつあります。そしてこれからが「くらしの再建」です。住まいができれば再建ではありません。またそこから「くらしの再建」がはじまるのです。

高台_s.JPG

新居_s.JPG

そして、3月はひな祭りの月でもあります。ご縁があって東京の方から「お雛さまを被災地に送りたい」という申し出を受けました。津波で何もかも流された被災者の方とご縁がつながりました。「うちにも7段飾りの立派なお雛さまがあったのよ」と、懐かしそうに見つめる姿に笑みがこぼれます。「孫が女の子だからね」と、早速お披露目です。近所の仲良しさんも懐かしそうに見ています。

お雛様_s.JPG

眺めて_s.JPG

なんとその横に「まけないぞう」が!なんとなんとたくさんのミニミニぞうさんが壁掛けになって飾ってあるではないですか!!よく見ると「絆」の文字が!ミニミニぞうさんが連なって「絆」を表現しています。

七段飾り_s.JPG

絆_s.JPG

ミニミニぞう_s.JPG

 「仮設に入って初めて『まけないぞう』を教えてもらったのよ。それがきっかけでご近所さんと仲良くなれて、いろいろ悩み事も相談できるようになったし、『まけないぞう』のお陰なのよ。神戸の人たちともたくさんの縁ができたのよ〜。」と話してくれました。
「まけないぞう」が人と人をつなぎ、辛いことも楽しいことも分かち合い、やっとここまできたのです。心の復興にはまだまだ時間がかかりますが、被災者の人のそばにはずっと「まけないぞう」が寄り添ってくれています。

建築ラッシュ_s.JPG

〜まけないぞうの作り手さんからのメッセージ〜
 震災から6年、昨年の11月にやっと自宅が完成し、地元に戻ることができました。長かったです。心が折れそうになったとき、ぞうさんを作りながら何とか日々の生活を送ることができました。これからの生活を静かに暮らしたいと思います。
                          (2017/3/14 岩手県釜石市)
posted by 被災地NGO恊働センター at 17:16| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月03日

【東日本大震災】レポートNo.278

あれから6年、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり   
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 いつもお邪魔している大船渡の後ノ入仮設に伺いました。当初はみなさん仮設暮らしでしたが、この6年間で自力再建を果たした人、復興住宅に入居した人などがいます。ほとんどの仮設では、仮設から出てしまうと関係性がなくなるところが多いのですが、ここ後ノ入仮設では、仮設から出た人も、何かあれば戻ってきて交流を続けています。
今日は、久しぶりに会うぞうさんチームの人もいました。仮設の住民さんが車で迎えに行ってくれたのです。久しぶりの彼女は「昨日は、うれしくて興奮してなかなか寝付けないから、お酒を少し飲んで寝たよ」ととてもうれしそうに話してくれました。自家製のお漬物をたくさん持って来てくれました。他のメンバーさんも果物、煮物などを持ち寄ってくれて、お客さんから頂いたお土産などお昼ご飯を食べながら、久しぶりに話に花が咲きました。

みんなで_s.JPG

差し入れ_s.JPG

こちらの会長さんも、「いつでも寄って」とやさしく声をかけてくれます。この地域は、震災前から、災害の備えについてもしっかり取り組んでいて、何かあったときにはAさんはBさんを助けにいく、集約する人など徹底的にやっていました。元々のコミュニティがしっかりしているのかなと感じます。まけないぞうの人たちが集まる日でも、誰かが車で復興住宅に移った人を送迎したり、仮設でできたコミュニティも、それ以前からあったコミュニティも継続して育んでいます。なかなか他の地域では見られないですが、ここではそれが自然体のようにコミュニティづくりができています。
いま、仮設から復興住宅や自力再建した人たちのコミュニティが崩壊し、それを支える人も少なく、孤独や不安を感じている人がいます。
「まけないぞう」はそんな人に寄り添い続け、心の支えになっています。

リアス線_s.JPG

〜まけないぞうの作り手さんからのメッセージ〜
 私の住所の数字「88-8」漢字で縦に書くとハハのハ。このごろ気づき、笑顔でおらねばと思うのですが、知らない土地で好きで来たにせよ寂しいです。
南の方から桜の開花がちらほらと聞かれて、28年度も終わる。「まけないぞう」さんも新年度に間に合うように、旅たちたいのよね。そう思うと、縫う手に力が入る。全国の支援者のみなさま、買って下さるみなさまに感謝を込めて、一枚のタオルを「まけないぞう」さんにして、目の前に並べていく。1ヶ完成、でも寂しいよ!2ヶ3ヶと、そして50ヶの完成。
夢中な心が寂しさをなぐさめ、充実感、幸福感で満たされます。単身の私にとって、家族が増えていくみたいな感じがあって、心のケアになっているのだと思います。ありがとうね。お陰さまで2200個がすぐそこ、近くになりました。それだけ、みなさまに助けられています。感謝、感謝です。
                          (2017/3/28 宮城県石巻市)
posted by 被災地NGO恊働センター at 16:52| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする