2019年08月21日

【東日本大震災】レポートNo.297

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  
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 お盆休みの最中神戸から車を走らせ岩手に向かいました。今回は村井顧問も2年ぶりの岩手訪問です。高速道路は帰省の人たちで渋滞、事故、故障など、神戸−東京間はいつもの倍の12時間もかかってしまいました。東京から岩手もいつもよりも2時間オーバーで到着、かなりハードな移動となりました。
 仮設に着くと、夏は草が伸び放題、車を止めるにも大変でクタクタの体に鞭を打ちながら、村井顧問は草刈り、私は家の中に所々ある蜘蛛の巣退治と掃除掛けを済ませました。台風が迫る中で、湿気と暑さで疲れもピーク、クーラーをつけようとしたら、故障中、なんとまぁ、大変ハードな岩手入りとなりました(泣)

 岩手の沿岸も、とっても暑く毎日のように30℃越えです。まけないぞうの作り手さんもさすがにクーラーを購入した方がいます。東北の夏も毎年気温があがり、心配です。海でも今年はサンマが不漁だそうです。春のわかめも少なかったようで、気候変動を身近に感じます。

 まず最初にタオルを集めてくださっている釜石の不動寺さんへタオルを頂きに上がりました。先日体調を崩されていたのですが、もうすっかり元気になり、お盆の準備に追われていました。そして、全国から届いたタオルを頂き、makenaizoneのみなさんから届いたお手紙をお渡ししました。

タツ子さん_R.JPG

 作り手さんの方はというと、お盆の時期ということもあり、親せきの方たちが帰省していて、忙しさの中にもうれしい笑顔がこぼれていました。みなさん、とてもお盆を大切にしていて、忘れかけている文化や習慣を思い起こさせてくれます。中には、いつもは親だけで親せきを回っていたけれど、息子さんが「俺も今年は一緒に回らせてくれ」と一緒に親せきの仏さまを回って拝んでそうです。そのお話をされているときの作り手さんは何となく、誇らしげに見えました。こうして、文化や習慣、それぞれの歴史が引き継がれていくんだなぁと、感慨深いものがありました。

仮設解体_R.JPG

 津波で旦那さんと息子さんをなくされた方は、復興住宅にお住まいで、お仏壇も被災した時に支援でいただいた簡易の小さなお仏壇です。「私ももうすぐ『あ・ち・ら』に行くからもうこれでいいの」と笑いながらそんなことをつぶやきます。復興住宅での生活も落ち着き、見守りも住民さん同士でしています。高齢者の多い復興住宅では声かけは大切です。部屋を行き来しながら、お茶のみをしたり何気ない日常がそこにあります。先日も別の住宅に住む友人に何度も連絡したのだけれど、なかなか連絡がつかないから、娘さんに連絡をとり、娘さんが確認に行くと部屋の中で、倒れていたそうです。すぐに救急車で運ばれ、現在入院中だそうです。一命をとりとめて何よりです。普段の近所付き合いがないと助けられなかったいのちです。また大船渡の後ノ入仮設住宅から各々新しい住まいでのスタートをして一年が経過しましたが、この後ノ入のまけないぞうの作り手さんたちは、新しい作業場(作り手のYさんの庭に建てた住田仮設からの木造、詳細は同レポート294号を見てください。)で、久々の顔あわせでした。「ぞうさんくるよ!」とお互いが声がけをし、自力で来れない人は誰かが迎えに行って、みなさんが集まります。いろいろと積もる話をする中で、「でも、よく頑張ってきたよね!」と誰かがポツンと言うと、「ほんとにオラも頑張ったよ!」「うんだ、うんだ!」とお互いを慰労するような、褒めたたえるような、そして自分を褒めてやりたいというような・・・・、しみじみとした、でもどこか希望の見える言葉が飛び交いました。これは、すばらしい「まけないぞうコミュニティ」だと痛感し、また一つ勇気を貰いました。こうして被災地は、あらたな復興のステージへと歩みを進めています。
 (増島 智子)

妙紀さん_R.JPG 
posted by 被災地NGO恊働センター at 14:06| ニュース・情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする