2011年04月21日

【東日本大震災】レポートNo.62

被災地NGO恊働センターです。
地震に先遣隊として被災地に入った武久真大のレポートです。
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武久のレポート〜米沢より〜
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「ラッキーストライクの笑顔」

避難所の中ではいろいろな居場所ができる。
足湯もしかり、子どもの遊び場もしかり。

そんな居場所のひとつが、肌寒い避難所の外にある。
体育館入口に設置された灰皿。それを囲んで、たくさんのお話が飛び交う。
テレビの前やコーヒーを飲んでるときとは、またちょっと違う顔を見せてくれる。

いちど、テレビの前でご一緒したAさんもその中のひとり。
どうもと、とことこ近付いて、自分のタバコに火をつける。

こういった場面以外ではもう吸わないけれど、
タバコが吸えたらこういうとき、便利だ。

Aさん、普段からその銘柄なんですか?
ちょっと印象と違うのを吸っていたので、聞いてみた。

いや、いつもはあんまりない銘柄だから。
探したんだけど自販機にしかなくて、でもタスポ持ってないから買えないんだ。
ま、でもこんなときにそんなわがまま言えないからね。吸えるだけありがたいよ。

Aさんはそう言って、2本目に火をつけた。

次の日、どうやら裏路地にたくさんタバコを売っている、
小さなタバコやさんがあるということを聞いたので、聞いて回ることに。

地元の子にも聞いたのだけれど、分からず…。
結局、灰皿のところで情報通のおねえさん、Fさんに場所を聞くことができた。
なんでか自分のところに情報が集まるのよねぇ、と少し笑顔を浮かべながら。

また後日、Aさんに会えたときに、そのタバコやさんの話をすると、
タスポを借りて買えたんだ、と

いつもの銘柄って言っていた箱を2つ、見せてくれた。
そのときの、Aさんの少しいたずらっぽく、満足げな感じの笑顔。

先の見えない避難生活の中で、
こうして、自分の生活をひとつひとつ、取り戻していくこと。

それってわがままなように見えるかもしれないけど、
きっと本当は必要なことなんだろうな。

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posted by 被災地NGO恊働センター at 10:29| 被災地からのレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする