2012年01月07日

【東日本大震災】レポートNo.150


5月末より岩手県の「遠野まごころネット」で活動しているスタッフ増島智子のレポート、「『まけないぞう』がつなぐ遠野ものがたり」をお送りします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 
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被災地から被災地へのリレー(1)

遠野は本格的な冬を迎え、あたりは銀世界です。沿岸の被災地でも雪は積もることもないですが、寒さが身にしみます。

IMG_2907_s.JPG

最近「まけないぞう」の作り手さんが徐々にではありますが、増えてきています。それでも生産が追いつかず、ご注文を頂いている方にはご迷惑をおかけしております。

「まけないぞう」の活動は、本当に多くの方々に支えられてなりたっています。阪神淡路大震災から全国・全世界の方たちに支えられ、その恩返しと想い、ノーモアKOBEを伝えながら活動してきました。その間、神戸の被災者がつぶやいた「人間は一人ではいきていけないという当たり前のことを改めて感じた」という言葉をその時々に実感しながら歩んできました。今回の東日本大震災でも本当に多くの方に支えられ、毎日のように「人間は一人では生きていけない」ということを感じています。

その一つとして、まずは被災地KOBEからの支援をご紹介します。1995年1月17日に震災があり、会社も家も被害を受けた「Chimei-Innolux, TPOディスプレイズジャパン株式会社」の方たちです。自分たちも阪神淡路大震災のときに会社の製造ラインのベルトコンベアがゆがんで関連会社の人たちが助けてくれたり、本当に多くの人たちに支えられたから今度は自分たちがその恩返しをしたいと、いろいろ調べて「まけないぞう」にたどりついたそうです。

「まけないぞう」はご存じの通り「一本のタオル運動」によって全国からタオルを提供していただき、それを被災者の人が「まけないぞう」に加工してくれる活動です。東日本が発生して、いざ「まけないぞう」を展開するとき、タオルを集めてそれを仕分けして被災地に送る倉庫のような場所を確保しないと活動ができませんでした。そんなとき、偶然にもTPOの中川さんと家藤さんたちに出会いました。彼らが会社にかけあい、被災地へ行けなくてもKOBEにいながら被災地とつながりボランティアの恩返しができると、仕事場の一角をご提供下さることになりました。仕事後のアフターファイブをわざわざタオル仕分けの時間に充てて下さり、タオルがすぐ被災者の手に届く状態に梱包して各被災地へ届けてくれています。

仕分けを待つタオル_s.JPG

届いたタオル_s.JPG

寄付されるタオルには、たくさんの想いやメッセージが添えられています。またそのメッセージを被災者へ届けることで、被災者も元気や勇気をもらうことができます。
タオルとともに送られた支援品_s.JPG

小さな支援者からのメッセージ_s.JPG

タオルを仕分けてくれているのは神戸で被災した人たちであることを被災者へ伝えると、「えーそうなのありがたいね〜」と、とても感謝してくれています。「じゃまたがんばって作らないとね」と・・・まさに被災地から被災地への支援の輪が広がっています。
被災地へ送られるのを待つタオル_s.JPG

そして、被災地へ届いたタオルは被災者の手に届けられ、ちくちくぞうさんの形に縫われて、「まけないぞう」へ・・・
ちくちく_s.JPG

(増島智子)

☆まけないぞうの一言メッセージ。
避難所で負けないぞうさん作り
あちらこちらで花が咲き
目が覚めてみる仮設の布団の中・・・
今日もまけないぞう!
(2011/8/6 女性 釜石市 甲子仮設)


posted by 被災地NGO恊働センター at 10:12| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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