2013年10月20日

【東日本大震災】レポートNo.230

9月末から、再び岩手県に増島のレポートをお届けします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  2013年10月
…………………………………………………………………………………
 最近、被災地では、道路や防波堤など公共事業に関する工事が多く、道路はトラックが行き交い事故も多発しています。2年半を過ぎ、被災者の人はごくわずかではありますが、災害復興住宅に移ったり、自力再建をした人もいます。限られた人にしか挨拶もせず仮設を出ていく人たち・・・。自分だけ、申し訳ない、後ろめたさを感じながら・・・でも本来ならば新しい一歩を踏み出すことにお互いに笑顔で見送ったり、見送られたりするはずですが、いまの被災地ではなかなかそれができません。なぜでしょう?

三陸道_s.jpg

防波堤_s.jpg

 公共工事はみるみる進み、山は削られ、海はコンクリートで埋め尽くされ始めています。しかし、終の棲家となる住宅に関しては、遅々として進まず、行政は土地の確保が難航しているという。それなのに、道路を造るための土地の確保はあっという間に進んでいく。おかしいと思うのは私だけでない、当事者である被災者はつぶやく。「あの津波で防波堤なんか流されたのに、またそれを最初に造っている、どうせ流されるのに・・・」「行政に聞いたら、役場の金庫にはお金はないと言われた、でもどんどん大きな施設の建設は進んでいる」「どうせオリンピックに人手も資材も取られて、こちらの復興はまた遅れる」。
被災者の人たちは言いようのない不安が募り、他人を思いやる気持ちの余裕すらなくなっているのです。

 阪神・淡路大震災から3年目に私たちKOBEの人たちは「市民がつくる復興計画 私たちにできること」(市民とNGOの「防災」国際フォーラム実行委員会 発行)を提言しました。その本の"はじめに"の部分に以下のように記してあります。
「3年間の復興事業は、高速道路や港の岸壁を元どおりにしたが、生活再建の視点から見れば、文化も福祉も経済も住宅も、大地震の前に比べて落ち込んだままだ。政治家や官僚が考える復興と、私たちが願う復興はどこか違っているのではないか。大地震から4年目に入っても地震災害は進行している。いま、市民が求める復興の姿を描き出さなければならない」。

いま東日本の被災地をみていると、阪神・淡路の復興の過程をさほど変わりはないように思えます。なぜ、また同じように被災者の声を丁寧に聞かないで、政治家主導の復興が進んでいるのでしょうか?KOBEのような同じ過ちは繰り返してほしくない。被災地に来ると、どうしても3.11から1.17へと想いを巡らせてしまいます。私たちにできることは何かを考える日々です。
 
 もうがんばれないくらい、被災者の人たちは追い詰められているような状況です。でもきっと人はそんなに弱くないはずです。足踏みしながらでも前に進むしかないんでしょうね。それぞれの歩幅にあわせて、焦らずゆっくりと着実に笑顔を絶やさずに・・・明けない夜はないはずだから。

笑顔1_s.jpg

笑顔2_s.jpg
posted by 被災地NGO恊働センター at 10:53| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする