2019年09月03日

【東日本大震災】レポートNo.298

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  
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まけないぞうの不思議な力 蘇ったあの笑顔!!

 東日本大震災から間もなく8年と6か月が経過します。Mさんとの出会いは、災害直後の岩手県大槌町の避難所でした。Mさんはとてもまけないぞうを気に入ってくれて、ある日避難所を訪ねると、まるで洗濯物のように洗濯ばさみにぞうさんをぶら下げてうれしそうに見せてくれたことを思い出します。

洗濯ばさみ_R.jpg

 避難所から仮設に移っても、まけないぞうを創り続け、ボランティアさんを温かく迎え三陸の海の幸をたくさんごちそうしてくれたり、CODE海外災害援助市民センターの10周年で海外の被災地から現地の人たちを招聘した時も、ぞうさんづくりを教えてくれたり、仮設に訪問させてくれたり、私たちもとても助けて頂き、また元気を貰い続けて来ました。

ぞうさんづくり_R.JPG


 仮設の部屋にどこを見回してもまけないぞうが飾ってあり、ぞうのグッズも訪問するたびに増えていて、いつも笑顔で迎えてくれました。Mさんは「ぞうさんないとだめなの」と言って、出来上がったぞうを持って帰ろうとすると、「連れて行かないで・・・・」といつも言われて、後ろ髪をひかれる思いで仮設を後にしたことを覚えています。
 その後徐々に体調を崩され、歩くこともままならい状態にまで落ち込んでしまいました。寝ていることも多くなり、まけないぞうも創るのが難しくなっていたのです。そこで、旦那さんがお料理をしたり、家事全般をするようになりました。私たちが訪問するときの電話のやり取りもMさんではなく、旦那さんになり、心づくしの料理をふるまってくれるのです。そんな中でもMさんは、いつも「ぞうさん創りたい」と訴えていました。
最近、体調を崩し「まけないぞう」づくりを休んでいたMさんですが、今回訪問するとおもむろに創りかけのぞうさんを出してきて、「教えて!」と。。。ちょっと教えると手が自然に動き出します。
 
今回一緒に同行してくれたのは、阪神・淡路大震災の時に一緒にボランティア活動をしてくれた仲間です。約23年ぶりの現場で作り手さんとの交流をとても喜んでくれました。彼女も一度ぞうさんづくりをしたことがあり、「わ〜お母さん、すごいね!どんどん縫っちゃうね!」と感心しながら、見つめていました。Mさんにも彼女の喜びが伝わり、最高の笑顔が戻ってきたひとときでした。

目玉1_R.JPG

そうこうしているうちに、まけないぞうが完成しました。できたぞうさんを見て、満面の笑みがこぼれ、いつものように笑顔で“チュッ!”と。今までは、座位も保つことができなかったので、いつもぞうさんが首を傾げていたのですが、今回は姿勢もまっすぐなまま、できあがったぞうさんもちゃんとできていました。Mさんの笑顔を見て、まるで空が晴れ渡るようにとってもうれしいひと時でした。彼女にとってどれだけまけないぞうが支えになっていたのか・・・。「Mさん、ありがとう!!」

チュッと_R.JPG

笑顔_R.JPG

はいポーズ_R.JPG

 (増島 智子)
posted by 被災地NGO恊働センター at 09:47| ニュース・情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする