2017年05月29日

【東日本大震災】レポートNo.281

あれから6年余り、5月連休に岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  5月4日   
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ゴールデンウィークの岩手訪問の続きです。このお休み期間の間はお天気に恵まれ、遠野では桜が満開の時期でした。とてもきれいでした。おまけにSLも見ることができました。

桜並木1_s.JPG

桜並木2_s.JPG

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そんなお休みの中を、遠路はるばる山口県と岡山県からボランティアのみなさんが遠野仮設のみなさんに会いに来てくれました。今回で2回目の訪問です。山口災害救援、山口県立大学有志、なんちゃって山災、岡山の仲間たちのみなさんが、山口名物「瓦そば」とお抹茶をふるまいながら、ハンドトリートメントを提供してくれました。

お抹茶1_s.JPG

お抹茶2_s.JPG

岩手のみなさんは初体験の「瓦そば」をどんなものか不思議な気持ちで待っている間に学生さんと久しぶりの再会を楽しみました。
また、その中には遠野に避難してきて方が、「まけないぞう」を作ってみたいと参加され、急きょ村井顧問のマンツーマンのレッスン??が始まりました。できるかな???

講習1_s.JPG

講習2_s.JPG

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できました!_s.JPG

その方の話を聞いていると、当時、釜石市より一部損壊の判定を受け、「書類にハンコが押してあるから、あなたは変更できませんよ!」と言われたそうです。いまはもう遠野に自力で家を借りて、なんの補償も受けずに暮らしてきたそうです。その人は6年経った今でも、その役場の対応に怒りを持ち続けていました。多分この方のように、当時心ない言葉を受け、心の痛み持ち続けている方はきっと少なくないのでしょう。

そうこうしているうちに、「瓦そば」ができあがりました。リーダーの杉本さんが腕を振るいます。「瓦そば」は瓦で茶そばを焼いて、その上に牛肉を甘辛く炊いたものと錦糸卵、青ネギを添えて、つけだれにレモンと紅葉おろしを入れて頂きます。牛肉でしっかりした味付けが、レモンなどの薬味でさっぱりした味になります。みなさん舌鼓をうちながらおいしいと評判でした。

杉本さん_s.JPG

杉本さん2_s.JPG

関さん_s.JPG

オラウータン_s.JPG

瓦そば_s.JPG

お別れの際には、みなさん総出で見送りをしてくれて、「またね!!」と笑顔で再会を約束していました。

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最後に杉本さんからまけないぞうのために集めてくれた募金を頂きました!ありがとうました!

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〜まけないぞうの作り手さんからのメッセージ〜
東北もようやく桜も満開になりました。東日本大震災から7年目に入りました。「まけないぞう」に出会い、楽しく作っています。こんなに長く続けるとは夢にも思っていませんでした。スタッフのみなさんには本当に感謝しています。これからもよろしくお願いします。
(2017/4/20 岩手県陸前高田市)
posted by 被災地NGO恊働センター at 15:19| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月19日

【東日本大震災】レポートNo.280

あれから6年余り、5月連休に岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  4月30日   
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先日、ゴールデンウィークに岩手を訪問しました。今回は今年で「まけないぞう」が生まれて20年という節目を迎えるにあたっての訪問でした。今年は「まけないぞう20年ありがとうキャラバン」を企画していて、全国のみなさまにお礼とこれまでの報告をしたいと思っています。その皮切りとして、いつもお世話になっている釜石市の不動寺さんにお邪魔して、同市小川町にある霊場新四国88ヶ所霊場と新西国33ヶ所の霊場に、まけないぞうを奉納させてもらいました。まけないぞうの作り手さんや地元の方、そして高野山真言宗総本山金剛峯寺の社会人権局からは木下友真さん、雨貝覚樹さんが駆けつけてくださり、みなさんで88と33の石仏一つひとつにまけないぞうをかけさせて頂きました。

妙紀さん_s.JPG

雨貝さん_s.JPG

木下さん_s.JPG

久しぶりに岩手を訪問した村井顧問はまるでサンタクロースのようにまけないぞうを運んでいました。またmakenazioneの編集長の田中幸子さんから届けられたアイルランドの植物園にかけられた「チベットの祈りの旗」の写真も一緒に奉納させて頂きました。

こうして、霊場を通して、いろいろな人や想いがつながることに、感動させられました。

サンタクロース_s.JPG

チベットの祈りの旗_s.JPG

作り手さんもとても喜んで頂き、「こうして再び皆さんが集う場になると思うと感無量。象さんを作ることで癒された。感謝の思いを込めて納めた」や「震災以来訪れることがなかったが、ぞうさんの作り手さんと一緒にここに来ることができて、夫や息子の分も頑張って生きていこうと思えた」と取材に答えていました。

タツ子さん_s.JPG

松野さん_s.JPG

中には、普段はほとんど歩けないのに、杖をつきながらきつい山道を、何度も休憩をし、時には転んだりしながら、必死に登り切りました。「88歳だから88ヶ所お参りしたかったの」と言い、最後はとても清々しい顔をしていました。

弘法大師_s.JPG

まけないぞう_s.JPG

最後はみんな揃って、この霊場を建立した方の前でお参りをしました。みなさん「これてよかった」「昔はよくここへ来たから懐かしいわ」など、暗くなりがちな被災地で明るいニュースになりました。この霊場にはたくさんの想いが込められ、この霊場を通して、またたくさんの人の輪が広がり、地域の住民の人たちが元気なってくれたらうれしいです。

みんなで_s.JPG

光り_s.JPG

新聞記事_s.JPG

〜まけないぞうの作り手さんからのメッセージ〜
世界中で災害が多く、弱い人に一番負担がかかります。そんな中、ぞうさん作りをしながら自分もパワーをもらいまた誰かにパワーを送ることができるといいなと思いながら作成しています。早く世界中が笑顔になるようにと願っています。
(2017/5/1 岩手県大船渡市)
posted by 被災地NGO恊働センター at 17:17| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月10日

【東日本大震災】レポートNo.279

あれから6年、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。
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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  3月14日   
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 街を走るとトラックが多いことにびっくりさせられます。そして、行くたびに道が変わります。土地や道路を高くするため、一度に全部できないので、一カ所を高くして、それが終わるともう一カ所を高くするなど、地道な作業のために毎回道が変わるのです。うずたかく積まれた造成の土地で、道に迷いそうになるときもしばしばあります。
 そんな高台を目指していくと、真新しい家々に辿り着きます。作り手さんの新居です。家に入るとほとんどの人が、「見てみて」と、木の香りが漂うお家を見せてくれます。そのうれしそうな笑顔にこの6年間の辛さを忘れてしまうほど、こみ上げてくるものがあります。走馬灯のようにこの6年間のできごとが頭を駆け巡ります。
 少しずつですが自宅の再建が進みつつあります。そしてこれからが「くらしの再建」です。住まいができれば再建ではありません。またそこから「くらしの再建」がはじまるのです。

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新居_s.JPG

そして、3月はひな祭りの月でもあります。ご縁があって東京の方から「お雛さまを被災地に送りたい」という申し出を受けました。津波で何もかも流された被災者の方とご縁がつながりました。「うちにも7段飾りの立派なお雛さまがあったのよ」と、懐かしそうに見つめる姿に笑みがこぼれます。「孫が女の子だからね」と、早速お披露目です。近所の仲良しさんも懐かしそうに見ています。

お雛様_s.JPG

眺めて_s.JPG

なんとその横に「まけないぞう」が!なんとなんとたくさんのミニミニぞうさんが壁掛けになって飾ってあるではないですか!!よく見ると「絆」の文字が!ミニミニぞうさんが連なって「絆」を表現しています。

七段飾り_s.JPG

絆_s.JPG

ミニミニぞう_s.JPG

 「仮設に入って初めて『まけないぞう』を教えてもらったのよ。それがきっかけでご近所さんと仲良くなれて、いろいろ悩み事も相談できるようになったし、『まけないぞう』のお陰なのよ。神戸の人たちともたくさんの縁ができたのよ〜。」と話してくれました。
「まけないぞう」が人と人をつなぎ、辛いことも楽しいことも分かち合い、やっとここまできたのです。心の復興にはまだまだ時間がかかりますが、被災者の人のそばにはずっと「まけないぞう」が寄り添ってくれています。

建築ラッシュ_s.JPG

〜まけないぞうの作り手さんからのメッセージ〜
 震災から6年、昨年の11月にやっと自宅が完成し、地元に戻ることができました。長かったです。心が折れそうになったとき、ぞうさんを作りながら何とか日々の生活を送ることができました。これからの生活を静かに暮らしたいと思います。
                          (2017/3/14 岩手県釜石市)
posted by 被災地NGO恊働センター at 17:16| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月03日

【東日本大震災】レポートNo.278

あれから6年、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり   
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 いつもお邪魔している大船渡の後ノ入仮設に伺いました。当初はみなさん仮設暮らしでしたが、この6年間で自力再建を果たした人、復興住宅に入居した人などがいます。ほとんどの仮設では、仮設から出てしまうと関係性がなくなるところが多いのですが、ここ後ノ入仮設では、仮設から出た人も、何かあれば戻ってきて交流を続けています。
今日は、久しぶりに会うぞうさんチームの人もいました。仮設の住民さんが車で迎えに行ってくれたのです。久しぶりの彼女は「昨日は、うれしくて興奮してなかなか寝付けないから、お酒を少し飲んで寝たよ」ととてもうれしそうに話してくれました。自家製のお漬物をたくさん持って来てくれました。他のメンバーさんも果物、煮物などを持ち寄ってくれて、お客さんから頂いたお土産などお昼ご飯を食べながら、久しぶりに話に花が咲きました。

みんなで_s.JPG

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こちらの会長さんも、「いつでも寄って」とやさしく声をかけてくれます。この地域は、震災前から、災害の備えについてもしっかり取り組んでいて、何かあったときにはAさんはBさんを助けにいく、集約する人など徹底的にやっていました。元々のコミュニティがしっかりしているのかなと感じます。まけないぞうの人たちが集まる日でも、誰かが車で復興住宅に移った人を送迎したり、仮設でできたコミュニティも、それ以前からあったコミュニティも継続して育んでいます。なかなか他の地域では見られないですが、ここではそれが自然体のようにコミュニティづくりができています。
いま、仮設から復興住宅や自力再建した人たちのコミュニティが崩壊し、それを支える人も少なく、孤独や不安を感じている人がいます。
「まけないぞう」はそんな人に寄り添い続け、心の支えになっています。

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〜まけないぞうの作り手さんからのメッセージ〜
 私の住所の数字「88-8」漢字で縦に書くとハハのハ。このごろ気づき、笑顔でおらねばと思うのですが、知らない土地で好きで来たにせよ寂しいです。
南の方から桜の開花がちらほらと聞かれて、28年度も終わる。「まけないぞう」さんも新年度に間に合うように、旅たちたいのよね。そう思うと、縫う手に力が入る。全国の支援者のみなさま、買って下さるみなさまに感謝を込めて、一枚のタオルを「まけないぞう」さんにして、目の前に並べていく。1ヶ完成、でも寂しいよ!2ヶ3ヶと、そして50ヶの完成。
夢中な心が寂しさをなぐさめ、充実感、幸福感で満たされます。単身の私にとって、家族が増えていくみたいな感じがあって、心のケアになっているのだと思います。ありがとうね。お陰さまで2200個がすぐそこ、近くになりました。それだけ、みなさまに助けられています。感謝、感謝です。
                          (2017/3/28 宮城県石巻市)
posted by 被災地NGO恊働センター at 16:52| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月30日

【東日本大震災】レポートNo.277

あれから6年、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。
今号は少し長文になります。お許しください。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 2017年3月11日七回忌法要  
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 今年の3月11日は仏教では7回忌にあたります。この節目の命日に各地から被災地に足を運んで頂きました。10日にはいつもまけないぞうを応援してくださっている釜石市の不動寺の住職補佐森脇妙紀さんを作り手さんと訪ねました。
 お参りした場所は、釜石市小川町にある西国三十三カ所の霊場です。これは地元の実業家が大病を患い、弘法大使に助けられたということから、四国八十八カ所と西国三十三カ所をつくり、本尊の菩薩像や如来像などの石仏を設置したものです。昔は遠足や市民の憩いの場所だったということをまけないぞうの作り手さんや地元の方にお聞きしました。けれども近年は次第に訪問者も減少し、荒廃が進んでいたところ、不動寺さんに霊場の再建のお話があり、現在各地のお寺や地元の市民の方により再建が進められています。

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全員集合_s.JPG

 今回はそちらの西国三十三カ所の石仏にまけないぞうの作り手さんが赤いよだれかけを33枚つくり、7回忌ということもあり、そのよだれかけを地元の市民の方々とかけながら供養させてもらいました。この日は高野山真言宗総本山金剛峯寺の社会人権局からは木下友真さん、雨貝覚樹さん、西蔵全悠さんと神戸からのボランティア家藤美仁さん、溝渕裕子さんのみなさんでお参りをしました。

ぞうさん_s.JPG

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 作り手さんのお一人は「足が痛いから車で待っている」と言っていたのですが、いてもたってもいられなくなり、途中から森脇さんに連れられ、山道を登って最後の札所33番によだれかけをかけ供養することができました。「だって〜ここまで来たんだもの、私もお参りしたかったのよ〜」と足の痛さも吹き飛んだように、必死に歩きながらみなさんとお参りできてとてもよかったです。

みんなで_s.JPG

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また当日の3月11日の命日には森脇さんと“歩き供養”をさせて頂きました。今年の7回忌にあわせて2014年に発生した広島土砂災害でお世話になった薬師寺の住職猪智喜さん、高野山真言宗心の相談員矢木孝さんと家藤さんとともに参加させて頂きました。

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街でお経をあげながら歩いていると、いつもは車で通りすぎてしまい、気づけないことに気づくことができました。未だに残る津波の爪痕、昔賑わいを見せていた横町の跡、復興の兆しをみせる地元の商店のみなさんなどいろいろな想いが駆け巡ります。

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また、海にお経をあげた後には、お布施をもってこられ、「ちゃんと用意していなくて裸ですみません」と森脇さんにお渡しする姿をみて、なんだかとても温かい気持ちになりました。中には小学生が10円玉を握りしめ駆け寄ってくる子どもたちもいるそうです。
あの6年前の大津波で何もかも奪った海、あれから海をみても素直にきれいとか、あまり感じられなくなっている自分がいました。でも被災者の方が、「時折あの津波がなかったらこんなにいろんな人に会えなかったよ。津波のお陰だよ」と話してくれる時もあります。複雑な気持ちが入り混じる海に向かって、みなさんとお参りできて、とても貴重な時間を過ごすことができました。

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午後には大船渡市のいつもまけないぞうで通っている後ノ入仮設での法要に参加させて頂きました。神戸大学の学生さんも来ていて、にぎやかにみなさんと被災地の様子などをお話ししながら、供養させて頂きました。この仮設は当初は76世帯だったのが、いまは23世帯となり、津波後仮設や再建などをしてから亡くなられた方が13人〜14人ほどいるそうです。6年という月日の重みをあらためて感じさせられました。

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夜には同じ広島から西福院の住職生村健空さんが栃木で東日本大震災で犠牲になった動物たちの法要の後に合流してくれました。翌日作り手さんのところへお邪魔しました。なんと偶然にもその方は地元の真言宗の檀家さんで、ご同行してくれた広島の真言宗の僧侶の方とともにお経をあげて頂き、素敵なご縁ができました。

〜まけないぞうの作り手さんからのメッセージ〜
今年の3月11日は仏前では7回忌になります。精神的な区切りの年になるのかと思います。「まけないぞうさん」を作って5年になります。最初は仮設住宅の集会所で講習を受け、その後1年ほど多雨期に1〜2回集まって作りました。そして、幼稚園などに行って園児達に手渡しました。よろこんで受けとってもらえました。私の娘はイギリスにくらしており、現地で支援してくれた方々にもお礼として贈りました。今は個人でそれぞれ製作しております。楽しい時間をありがとうございます。        (2017/1/7 宮城県石巻市)

posted by 被災地NGO恊働センター at 16:56| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする