2015年08月10日

【東日本大震災】レポートNo.262

あれから4年目の夏、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 8月1日
………………………………………………………………………………
 今日は杉の木立をドライブしながら大船渡を訪れました。綾里の復興住宅へお邪魔すると、子ぞうさんが待ちかねていたように、作り手さんがひとつ一つ丁寧に並べて数のチェックです。「どれもかわいい」、「私のはお鼻が長いのね」「一つひとつお顔が違うのよ」「ちっちゃいのはめんけー」とおしゃべりしながら楽しそう。

杉の木立_s.JPG

お鼻_s.JPG

小さいの_s.JPG

宮古島のマンゴーと岩手名物のおつけもんのきゅうりのからしづけ、甘くておいしいクルミもちと、ご当地グルメ大会みたいで、みなさん会話も弾みます。そこで、15年前に行われた綾里5年大祭のビデオを見せて頂きました。各地区の権現様の舞を披露するそうです。綾里には日本一と言われる重さ1トンにもなる綾里権現様があるそうです。みなさん夢中で「あっ誰々だ!」「あっこの人は…」「この神社の階段まで津波が来たんだよ」「何度見ても飽きないね」「夜中、ずっと見ているよ」と話が尽きません。作り手さんのお一人はお祭りで踊りの先生をしているので、大活躍するそうです。作り手さんのお父さんに聞いたら、来年6月に15年ぶりの綾里五年祭が開催することになったそうです。みなさんとてもうれしそうで「ぜひ、来てね」と声をかけて頂きました!ぜひ訪れたいです!


ご当地グルメ_s.JPG

団欒_s.JPG

お手紙_s.JPG

 そして、午後からはいつもお邪魔している憩いの理容室さんへお邪魔すると、お客さんの車になんと子ぞうさんがぶら下がっているではないですか!!!思わずまけないぞう号と記念撮影です。高田のぞうさんチームの人がプレゼントしてくれたそうです。嬉しい再会です(笑)

子ぞう_s.JPG

 夜は「三陸・大船渡夏まつり」が開催されました。岸壁から近い海上で8000発の花火が
打ち上げられました。防潮堤や護岸工事、盛り土の造成工事などで会場も様変わりし、いつもと会場が変わったりしていましたが、それでも、同時に海上七夕という船団が巡航し、海にはきらびやかな七夕の灯りと空には大輪の花を咲かせていました。私は、自力再建された理容室さんのお宅で絶景のもと、花火を楽しませてもらいました。
 その花火や灯り一つひとつに一日も早い復興への祈りが込められていると感じました。

絶景_s.JPG

花火_s.JPG

花火2_s.JPG

〜まけないぞう一言メッセージ〜 
まけないぞうさん、ずいぶん他国にも愛されてうれしいです。一針一針縫ってて出来上がるごとにますます可愛さが増す。ぞうさんの力がものすごくあって、これからも大活躍することと思います。作り手の方々もみな喜ばしいことです。
(2015/06/15 大船渡市 女性 81歳)
posted by 被災地NGO恊働センター at 09:32| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月08日

【東日本大震災】レポートNo.261


あれから4年目の夏、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 7月26日
………………………………………………………………………………
 先日、遠野仮設では”流しそうめん”をしました。夏の日差しが降り注ぐ中、みんなで食べるそうめんは格別です。久しぶりにお会いした方もいらっしゃいましたが、みなさん元気そうでした。ミニトマトなども流れてきましたが、取りづらくて子どもたちは、手づかみでおいしそうにほおばっていました。ぞうさんも流しそうめんを堪能していましたよ。

流しそうめん_s.JPG

ぞうさん_s.JPG

そして、午後からは、釜石の復興住宅の作り手さんのところへお邪魔しました。沖縄の宮古島から届いたマンゴーをお届けしました。「珍しいものを!」と大変喜んでくださいました。こちらの作り手さんは、もう89歳になります。いつも「指先がしびれる」というのですが、「ぞうさんをすると大丈夫なんだよね」と。ぞうさんの材料がくるといつも夢中になって毎日作っているそうです。娘さんが「ぞうさん、こないとボケちゃうよ」と言って笑っています。

マンゴー_s.JPG

また、復興住宅の中庭には、住民の方が丹精込めて育てている野菜やお花が所狭しと育っています。以前のレポートでもお伝えしましたが、津波をかぶったお花もしっかりと大地に根を張っていました。その時のメッセージです。「もう4年ですってね。私そのうち何をしてたかしら…。でもね、津波をかぶったアヤメとマーガレットと菊、これらは港町から掘り出してきて、去年から花をつけてくれるんです。毎日水やりをして、私も元気です。私たちのほかにも災害は色々起きます。心の痛むことばかりね。でも命ある限り頑張ります。ぞうさんに慰められながら…。」

 今日はそのお花たちを見せてもらいました。

菊_s.JPG

アヤメ_s.JPG

被災地の各地に津波をかぶった花々が力強く咲いているのを見ると自然の力強さを感じます。同時に人間の身勝手さも感じます。

太陽と花_s.JPG

豊かな恵みをくれる自然を見習い、謙虚に共生していきたいですね。

お花_s.JPG

〜まけないぞう一言メッセージ〜 
ゾーさん作りは、私は楽しいです。上手ではないけど、私の作ったゾーさんも可愛がってあげてください。
(2015/06/15 大船渡市 女性 72歳)
posted by 被災地NGO恊働センター at 12:24| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月06日

【東日本大震災】レポートNo.260

あれから4年目の夏、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 8月6日
………………………………………………………………………………
 各地で酷暑が続いています。70年目の暑い夏、広島に原爆が投下された8月6日、今朝の遠野では8時15分にサイレンとともに、町内放送で「今日は広島に原爆が投下された日、遠野市は核廃絶を訴えている街です。平和への祈りと犠牲になられた方たちへ黙とうを捧げましょう」というアナウンスが流れ、東北の地から広島に向けて祈りが捧げれました。

そんな東北では、少し遅れて梅雨開けし、海開き、七夕祭り、花火大会など夏の催しが各地で行われています。

 7月26日には、大槌町の吉里吉里海岸で4年ぶりに海開きが行われ、砂の芸術祭が20年ぶりに復活したそうです。吉里吉里(きりきり)というのはアイヌ語で白い砂、砂浜を歩くとキリキリという音がするなど諸説あるそうです。震災で砂浜がガレキで埋まり、人々の手によって一部が復活したものの、防潮堤などの工事の影響により、来年はまた海開きができるかどうかという状況ですが、子どもたちは嬉しそうに海で遊んでいました。いまだ被災地に各地では海岸や砂浜が流失したり、地盤沈下したまま戻っていない場所が多くあります。そんななかで一部でも復活したことは被災地の人々に笑顔を取り戻してくれます。
 たくさんの恵みをもたらしてくれる海、そして、今回のように時に人間にはかなわないような刃を向ける自然の驚異といった二つの顔をもつ大自然と私たちはどう向き合って暮らしていくか考えなければなりません。

亀_s.JPG

お城_s.JPG

海岸では、まるで要塞のような防潮堤が街を囲い、住民の方々は「おかしい、いくら高くしたって、無理だぁ。こんなに防潮堤を高くするなら、高台に逃げる避難路を整備して、防潮堤は海が見えるくらい低くていい。」と口々に話しています。

大船渡堤防_s.JPG

吉里吉里堤防_s.JPG

 なかなか住民の人たちの思い通りにいかない町の復興に、あきらめ感が漂い、「来年もこの暑い夏を仮設で過ごすのかしら…」とため息交じりのつぶやきが聞こえてきます。また、前回の訪問でも感じましたが、今回も体調を崩したり、病気になった方もいらっしゃいます。仮設で亡くなられた方もいらっしゃると聞きます。「仮設では死にたくない」とみなさん口をそろえてそういいます。けれど、4年の歳月が過ぎ、現実は厳しいものがあります。政府はいま、戦後70年を迎え安保法制法案など被爆国としては首をかしげるようなことばかりですが、被災地はいままだ復興の途上です。そんな被災者の言葉に耳を傾け、被災者の最後の一人が復興するまで、真摯に取り組んでほしいと切に願います。

今回は作り手さんに当センターの元スタッフから宮古島のマンゴーをお届けするとともに、いつも応援してくださるmakenaizoneのみなさんからのお手紙をお届けし大変喜ばれています。みなさんどうもありがとうございます。

マンゴー_s.JPG

お手紙_s.JPG
posted by 被災地NGO恊働センター at 16:55| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月02日

【東日本大震災】レポートNo.259

あれから4年目の夏、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 7月23日
………………………………………………………………………………
 神戸で、台風に遭ってそのまま北上するとなんだか雨雲をそのまま連れて岩手入りしたようです。岩手には“避暑”にきたつもりが、とっても暑くて内陸や沿岸の一部では38℃前後まで気温が上がっていたそうです。雨雲は内陸の一部の田畑に恵みの雨をもたらしたようですが、沿岸ではほとんど降っていないので、困っています。

今回、7月24日〜28日の5日間は例年お世話になっている川徳さんで沿岸の支援活動をしている10団体が出展した「第4回岩手発手しごと絆フェア」を開催しました。主催は復興グッズ連携会議、後援は東京大学被災地支援ネットワーク、盛岡情報ビジネス専門学校、協力は株式会社川徳というメンバーでした。リピーターのお客さんもいらして、昨年に引き続き盛岡情報ビジネス専門学校の生徒さんも販売のお手伝いをして頂き、強力なサポーターでした。

手しごとフェア_s.JPG

学生_s.JPG

学生さんの中には、沿岸の被災地出身の生徒さんもいらっしゃいました。直接被害を受けた人そうでない人も、津波による故郷の変貌ぶりに心を痛めているようです。これまで思い出をつくった地域がなくなるなんて、本当につらいことだと思います。中には沿岸の宮古に住んでいるお母さんにまけないぞうを宣伝してくださり、ネットで神戸にわざわざ注文をくださった親御さんもいらっしゃいました。ありがとうございます。

そして、ちょうど初日にテレビ取材を受け、その日の夕方に放映があったようで、吉里吉里の作り手さんから、電話で「いまテレビに映っていたよ!すごいね。うれしいわ」と連絡を頂きました。とっても喜んでいただけました。被災地を忘れられそうな現状で、こうしてみなさんが各地から応援してくれることが何より被災者の方の心の励みになります。

学生集合_s.JPG

また、今回は元スタッフの宮古島の仲間から特産のマンゴーを毎年被災地に届けて頂き、作り手さんにプレゼントしました。東北ではめったに生のマンゴーをみないので、みなさん珍しい南国のフルーツを堪能しています。

マンゴー_s.JPG

〜まけないぞう一言メッセージ〜

東日本大震災から4年が過ぎ、被災地以外の人々は、もう忘れているように思われますが、何年過ぎても、大きな地震があるとあの日を思い出し、メンタルが少しおかしくなります。それでもこうして「まけないぞう」を作らせて頂くことで、心のどこかで安心を手に入れていると思います。これからもよろしくお願いします。
(2015/6/6 宮城県石巻市 女性 58歳)
posted by 被災地NGO恊働センター at 10:50| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月09日

【東日本大震災】レポートNo.260

先日増島が岩手に入っていた時のレポートの続きをお届けします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  6月8日
………………………………………………………………………………
 新緑の中、紫陽花を眺めながら沿岸へ車を走らせます。でも沿岸に行くと、その光景の落差に心が折れそうになります。トラックがこれまで以上に行き交い、復興道路や防潮堤、かさ上げといったハード面の復興が進み、被災者の人たちが取り残されているよう気がします。

新緑_s.jpg

アジサイ_s.jpg

3月に訪ねたときには、いつ家が建てられるのかわからないと言っていた作り手さんの一人が急きょ自力再建へ向けた動きが始まり、この7月には新築へのお引越しが完了するということでした。新居ができたらそこに飾るためのタペストリーを作っておられました。

タペストリー_s.jpg

 また、同じ地域で被災されて高台移転を待つ、作り手さんは来年の4月まで土盛りが終わらずそれ以降に土地の明け渡しがあり、それから家の建築がはじまるそうです。けれどそれはあくまでも予定なので、どうなるかはわかりません。「いつも行政には裏切られているからもう期待していないけどね」とため息交じりのつぶやきが聞こえてきます。
その方の旦那さんは、この3月に心筋梗塞をおこして入院されたそうです。「弱いところは見せないのよこの人は」とお友達が言いました。そんなことに気づけず、必死にがんばっていた彼女の気持ちを思うと、いたたまれない気持ちになりました。
 そんな彼女がメッセージをくれました。
「あの日から4年、復興も思うように進まず、家族が思いもよらない病気をし気持ちがしずみがちなり、何もしない日がつづいた時、自分がしっかりしないとと思い、ためしにぞうさんを作って見ました。一つまたひとつそのたびに気持ちが楽になり、がんばれそうな気がしました。ほんとうに(まけないぞうさん)ありがとう。」
まけないぞうが彼女に寄り添っていてくれました。

 仮設の統廃合も進みつつあり、せっかく慣れた仮設を引っ越さなければならない状況がくるかもしれないという不安があり、「私たちは仮設から仮設への引っ越しはしたくない、ここを出るときは最後にしたい」とおっしゃっていました。

お手紙_s.jpg

 土盛りは各地で進みつつありますが、小学校が取り壊され、津波でも大丈夫だった家々が移転を余儀なくされ、山の木々が伐採され、巨大コンクリートで街を囲み、これがみなさんが望んだ街並みなのかと思うと、複雑な気持ちになります。

土盛り_s.jpg

造成作業中に遺跡がみつかり、造成が遅れているようです。

伐採される桜_s.jpg

高台造成_s.jpg
posted by 被災地NGO恊働センター at 16:32| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする