2019年03月28日

【東日本大震災】レポートNo.295

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  3月6日
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 まけないぞうの回収で内陸に避難された方たちがいる遠野の伺いしました。遠野市穀町にできた仮設は木造で、一部高齢者・障害者向けに屋根付きのウッドデッキで集会所兼サポートセンターも併設され、雨の日にでも傘を差さずに集会所に行ったり、井戸端会議ができるスペースになっています。部屋は木の香りが漂い、プレハブのものより断然住み心地がいいです。

木造仮設_R.JPG

仮設部屋_R.JPG

7年半住み続けてきた仮設もこの2月で入居者の方が退出され、みなさんそれぞれ新たな一歩に進まれました。仮設の隣の敷地に災害復興住宅を建築しました。その部材は仮設のものを使い、3〜4軒の長屋づくりで和風モダンな素敵な木造住宅です。コミュニティも環境も変わることなく、被災者への負担はほとんどありません。愛犬のワンちゃんとも一緒にお引越しもでき、住み心地もよさそうで、みなさん終の棲家にご満悦です。

ワンちゃん_R.JPG

遠野市災害復興住宅_R.JPG

 その傍らにはまけないぞうが見守ってくれています。

見守るぞうさん_R.jpg

 3月11日を前に、作り手さんの旦那さんに初めてじっくり話を聞かせてもらいました。あの日、釜石市の鵜住居でいつものように散歩していたところに大きな地震にあったのです。旦那さんは遠野の出身で大きな地震の後に津波がくるということを知らなかったのですが、周りの人が逃げているのを見て、慌てて自宅に戻ったら、奥さんが玄関から出てきて、二人で高台へ避難し、そこに津波が来て家は丸ごと流されたそうです。当時はその高台の親戚の家に避難していて、瓦礫の町となった自宅周辺を茫然と見ていたそうです。そこでもうだめかと思っていた2〜3日後に大阪や京都から消防車や救急車などが来る光景をみて、「助かった!!」と思ったそうです。そのことを泣きながら話してくれました。その後、出身地でもある遠野で仮設住宅による避難生活が始まりました。しかし、当初は慣れない仮設暮らしと疲労により、体調を崩したのですが、奥さんのためにもこのままではだめだと思い、奮起して家探しをはじめたとのこと。いくつもいくつも家を探しては見学に行ったそうです。そこで、やっと住んでいた仮設に近い一軒屋を見つけ、仲良くなった仮設のみなさんとも交流できる距離のところに家を買ったそうです。
 
絆_R.JPG

 旦那さんが遠野に来て、感動したことがありました。当時、遠野市は後方支援の拠点として市長以下職員総出で沿岸被災地の支援を開始していました。その時にある部下が食料のことで遠野市長に指示を仰いだところ、「そんなこと自分で判断しろ!」と怒鳴られたそうです。これは緊急時に、その都度市長の判断を仰ぐのではなく、職員一人ひとりが考え行動することが大事だということだったそうです。それを聞いた旦那さんは「遠野市長はすごい」と感動したそうです。緊急時にはマニュアルは通用しません。だからこそ、一人ひとりが被災者のニーズに耳を傾け、「いま」何が必要なのかを考え、行動することが必要なのです。

 2011年の3月に初めて遠野にきて民泊させてもらったお宅で、「遠野で自慢できることは何ですか?」と聞いたときに「それは、“まごころ”です」と答えてくれました。その言葉はとても印象深いものになりました。遠野のみなさんはとても温かくボランティアを迎えてくれて、私たちもとっても助かりました。そして、これからもお付き合いは続いていきます。

お手紙_R.JPG

遠野ぞう_R.JPG
posted by 被災地NGO恊働センター at 15:52| ニュース・情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月07日

【東日本大震災】レポートNo.294

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  3月4日
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 今日は、大船渡の後ノ入仮設のまけないぞうチームにお邪魔しました。こちらの住民はは去年の夏頃仮設生活を終えました。7年8か月の長期にわたる仮設の生活、被災者はどんな想いで過ごされたか想像し難いほどの避難生活だったと思います。
 ここでは、最初に近くの高齢者施設の避難所で足湯をさせてもらいました。その後、仮設の集会所でまけないぞうづくりを行いました。

後ノ入ぞうさんづくり_R.jpg

足湯_R.jpg 

 まけないぞうの日は、みんな集会所に集まって、「いつかぞう御殿を建てるよ〜」と笑いながらおしゃべりをして、「わぁ〜、今日はよく笑ったぁ」とぞうさんの日にはみなさん笑顔になって帰っていきました。

まけないぞうの日_R.JPG

 造成などが予定通りに進まず、中には予定した土地が使えなくなり、別の土地に変わった作り手さんもいます。説明会の度に工期が伸びに伸びて、最後のほうはみなさんあきらめ感が漂っていました。「いつになるんだろうね〜」「おらほのところは最後だべな〜」などため息交じりのつぶやきが聞こえていました。

 そして、やっとの7年と8か月という長い時間をかけて、やっと住民のみなさんすべてが仮設を出て再建を果たしました。復興住宅に入った方、自宅を再建した方、それぞれの新たな生活が始まりました。

 まけないぞうもそんなみなさんと久しぶりに再会しました。作り手さんの中に、手芸などをできる小屋を作ったという人がいて、そこに集まることになりました。小屋の中は広くて木の梁を使っていました。10人程度は十分入れるスペースです。それがなんと聞いてびっくりその小屋は住田町から3万円で払い下げられた仮設だったのです。材料を移動したり再建するには300万円程度かかってしまったそうですが、こうしてリユースされ、使われていることに木造仮設の良さをしみじみ感じます。外観は耐久性を持たせるために壁材を貼りとても立派なものになっています。

小屋1_R.JPG

小屋_R.JPG

 今日も、この場所でお手製のお饅頭やおつけもの、おこわを持ち寄り世間話に花が咲きます。また、これからこの空間から素敵なつながりが育まれていくことでしょう。

お饅頭_R.JPG

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「まだ、ぞうさん続くの?」「ぞうさんさせてもらって助かってるよ・・・」と。

お手紙_R.JPG
posted by 被災地NGO恊働センター at 17:25| ニュース・情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月04日

【東日本大震災】レポートNo.293

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  3月2日
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 今日は釜石の上中仮設住宅のお別れ会でした。震災から8年の歳月を経て、今年の夏頃には最後の被災者が仮設生活を終える予定です。そこで、仮設住宅で会長をしていた佐々木夫妻の呼びかけで元住民が集まって、涙と笑いを交えた会が開催されました。
 みなさん1年、2年、3年ぶりなどと久しぶりの再会でした。この仮設は楽しかったねとあの頃を懐かしんでいました。

お父さん_R.JPG

お茶会_R.JPG 

 みなさん、思い思いに当時のこと、いまのことを語り合います。 
「仮設より復興住宅は酷い。何もなくて、、、交流がない」
 「仮設なら扉を開けたらみんなに会える」
 「会長さんがメガホン持って声かけしたのを今でも耳に残っている」
「また、帰ってきて〜」
 「近いようで遠い(復興住宅は仮設の隣なのに)こんな機会はないよ。」
 「3年ぶりだね〜」

懐かしいね〜_R.JPG

 この会を企画した佐々木さんご夫妻は、この3月で長女や次女がいる東京へ引っ越しを決めました。この数年悩みに悩んで出した応えです。古里を離れること、今後年老いていく現実を考えると二人だけ暮らすのは厳しいと、子どもたちのいる東京への引っ越しを決めたのです。でもこのお別れ会では、みなさんに「行っちゃうのかい?」「また、帰ってきてね」などの言葉に後ろ髪を引かれる想いがいっぱいです。「今度は家も引き払うので、戻ってくる場所がないんだよね」と、寂しそうに言葉が漏れ聞こえます。残るも辛い、去るのも辛い決断です。被災地には悲喜こもごもの想いがあります。
 同窓会では、まるで家族のように和気あいあいと言葉を交わし、仮設に入った頃は、みんな知らない人同士で、声を掛け合うことから始まりました。この8年近くの長い年月で育まれた絆はとても深まっていました。

 一年に一回は会えるようにしたいね。それまで元気でいてね!と声を掛け合い。再会を誓いました。最後に思い出の曲「上中仮設音頭」を歌ってお別れました。

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 〜歌詞の一部抜粋〜
 みんなで みんなで 生きてきた。
 辛さと悲しみ わかちあい
 小さな喜び 育んで 
 一生懸命 生きてきた
 それ 忘れない それ 忘れない
 上中仮設を忘れない
 いついつまでも 忘れない

 
上中音頭NO1_R.JPG

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posted by 被災地NGO恊働センター at 10:11| ニュース・情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月02日

【東日本大震災】レポートNo.292

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  2月27日、28日
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 まもなく3月11日を迎える東日本大震災の被災地岩手県にやってきました。残り少なくなった仮設や再建した真新しい住居や店舗の間をトラックや重機が行き交います。山を切り崩した大きな道路と海を埋め立てた壁のような防潮堤が広がっています。
 そんな中、毎年恒例の遠野のふきのとうの会の「第11回 松崎ひなまつり〜共に歩む ふるさと創生」に行ってきました。27日は陸前高田市のみなさんと、28日には釜石市のみなさん、3月1日には大船渡のみなさんと伺いました。

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松野さん_R.JPG

集合写真_R.JPG 

 陸前高田市から22人のたくさんの人が来てくれました。震災の年の7月にできたばかりの仮設を訪ね、まだ集会所のない中、テントと長机を運び込み暑い最中にまけないぞうづくりをしたことを昨日のことのように思い出します。ふきのとうの会のメンバーが一軒一軒仮設を回り声かけをし、集まってもらいました。そこでは、「あんた、どごにいたの?生きでだの?」と涙ながらに半年経ってやっと安否確認ができていました。無事を確認し合うなか、家族を失ったという辛い現実もそこにはありました。その現実を受け入れられないまま、まけないぞうを作っていた人もいました。「なぜ、私は仮設でぞうを作っているの?」と言われたときには、何も応えられませんでした。「ただ、そばにいる」ということが辛く、無力感に襲われました。「本当はまけないぞうなんてないほうがいいんだよな〜」、「まけないぞうがあるということは災害が起きてしまったということで、災害がなければ・・・」と、活動をしながらこの災害が夢でありますようにと何度思ったことか。

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 避難所から仮設、そして復興住宅へと、いまふきのとうの会の人たちはまけないぞうが繋いだ縁をつるしびなに変え、この8年間の間交流をつづけています。代表の菊池加代子さんは「もう被災者と支援者ではなく、友達です」と取材に応えていました。

みんなで_R.JPG

集合写真_R.JPG
 あの当時、遠野からもなかなか被災地に行けない人もいる中で、菊池さんは大船渡で活動する外国からきたボランティアの人が一生懸命道路の側溝を掃除しているのを見て心打たれたそうです。「もっともっと地元の人がボランティアをしてくれたら」と・・・。

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 「財産もすべて失ったけれど、こうしてたくさんの人とつながることができて、財産を頂いたこれは本当に宝物だ」と話していた被災者の言葉が印象的でした。

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posted by 被災地NGO恊働センター at 13:32| ニュース・情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月15日

【東日本大震災】レポートNo.291

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  12月13日 
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 今日は大槌町吉里吉里へ。避難所からずっと作り続けている作り手さんに会いに行きました。「ぞうさんないとだめ〜」と言って、まけないぞうが大好きです。最近はちょっと体調を崩していてまけないぞうづくりはお休みしていますが、「ぞうさん、作りたい」と意欲満々です。お父さんとはいつも仲良しで、一緒にお散歩にも行っているそうです。今日はお父さん手作りの鮭の白子のお汁を頂きました!とっても美味しかったです。

お手紙_s.JPG

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 そして、釜石へ。寒い冬に迎えてくれたのは、お部屋いっぱいの植物と作り手さんのとびきりの笑顔です。彼女がまけないぞうに寄せてくれたメッセージです。
 「まけないぞうさんに出会って5年余りになります。あの大震災から7年も過ぎ、その後も世界中のどこかでさまざまな自然災害が発生しています。その度にあの災害時に皆さんから支援して頂いた有りがたさが身にしみていて、今の私に何ができるか考えさせられました。やはり、みなさんに笑顔を届けられるまけないぞうさんです。増島さんやスタッフのみなさんにお世話になり、今まで続けてきました。これからも続
けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。」
 この間、水害の支援でだいぶご無沙汰していたのですが、ずっとこんなにまけないぞうを思ってくれていたことに、心から感謝します。


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posted by 被災地NGO恊働センター at 09:07| ニュース・情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする