2015年08月06日

【東日本大震災】レポートNo.260

あれから4年目の夏、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 8月6日
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 各地で酷暑が続いています。70年目の暑い夏、広島に原爆が投下された8月6日、今朝の遠野では8時15分にサイレンとともに、町内放送で「今日は広島に原爆が投下された日、遠野市は核廃絶を訴えている街です。平和への祈りと犠牲になられた方たちへ黙とうを捧げましょう」というアナウンスが流れ、東北の地から広島に向けて祈りが捧げれました。

そんな東北では、少し遅れて梅雨開けし、海開き、七夕祭り、花火大会など夏の催しが各地で行われています。

 7月26日には、大槌町の吉里吉里海岸で4年ぶりに海開きが行われ、砂の芸術祭が20年ぶりに復活したそうです。吉里吉里(きりきり)というのはアイヌ語で白い砂、砂浜を歩くとキリキリという音がするなど諸説あるそうです。震災で砂浜がガレキで埋まり、人々の手によって一部が復活したものの、防潮堤などの工事の影響により、来年はまた海開きができるかどうかという状況ですが、子どもたちは嬉しそうに海で遊んでいました。いまだ被災地に各地では海岸や砂浜が流失したり、地盤沈下したまま戻っていない場所が多くあります。そんななかで一部でも復活したことは被災地の人々に笑顔を取り戻してくれます。
 たくさんの恵みをもたらしてくれる海、そして、今回のように時に人間にはかなわないような刃を向ける自然の驚異といった二つの顔をもつ大自然と私たちはどう向き合って暮らしていくか考えなければなりません。

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海岸では、まるで要塞のような防潮堤が街を囲い、住民の方々は「おかしい、いくら高くしたって、無理だぁ。こんなに防潮堤を高くするなら、高台に逃げる避難路を整備して、防潮堤は海が見えるくらい低くていい。」と口々に話しています。

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吉里吉里堤防_s.JPG

 なかなか住民の人たちの思い通りにいかない町の復興に、あきらめ感が漂い、「来年もこの暑い夏を仮設で過ごすのかしら…」とため息交じりのつぶやきが聞こえてきます。また、前回の訪問でも感じましたが、今回も体調を崩したり、病気になった方もいらっしゃいます。仮設で亡くなられた方もいらっしゃると聞きます。「仮設では死にたくない」とみなさん口をそろえてそういいます。けれど、4年の歳月が過ぎ、現実は厳しいものがあります。政府はいま、戦後70年を迎え安保法制法案など被爆国としては首をかしげるようなことばかりですが、被災地はいままだ復興の途上です。そんな被災者の言葉に耳を傾け、被災者の最後の一人が復興するまで、真摯に取り組んでほしいと切に願います。

今回は作り手さんに当センターの元スタッフから宮古島のマンゴーをお届けするとともに、いつも応援してくださるmakenaizoneのみなさんからのお手紙をお届けし大変喜ばれています。みなさんどうもありがとうございます。

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お手紙_s.JPG
posted by 被災地NGO恊働センター at 16:55| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月02日

【東日本大震災】レポートNo.259

あれから4年目の夏、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。
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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 7月23日
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 神戸で、台風に遭ってそのまま北上するとなんだか雨雲をそのまま連れて岩手入りしたようです。岩手には“避暑”にきたつもりが、とっても暑くて内陸や沿岸の一部では38℃前後まで気温が上がっていたそうです。雨雲は内陸の一部の田畑に恵みの雨をもたらしたようですが、沿岸ではほとんど降っていないので、困っています。

今回、7月24日〜28日の5日間は例年お世話になっている川徳さんで沿岸の支援活動をしている10団体が出展した「第4回岩手発手しごと絆フェア」を開催しました。主催は復興グッズ連携会議、後援は東京大学被災地支援ネットワーク、盛岡情報ビジネス専門学校、協力は株式会社川徳というメンバーでした。リピーターのお客さんもいらして、昨年に引き続き盛岡情報ビジネス専門学校の生徒さんも販売のお手伝いをして頂き、強力なサポーターでした。

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学生さんの中には、沿岸の被災地出身の生徒さんもいらっしゃいました。直接被害を受けた人そうでない人も、津波による故郷の変貌ぶりに心を痛めているようです。これまで思い出をつくった地域がなくなるなんて、本当につらいことだと思います。中には沿岸の宮古に住んでいるお母さんにまけないぞうを宣伝してくださり、ネットで神戸にわざわざ注文をくださった親御さんもいらっしゃいました。ありがとうございます。

そして、ちょうど初日にテレビ取材を受け、その日の夕方に放映があったようで、吉里吉里の作り手さんから、電話で「いまテレビに映っていたよ!すごいね。うれしいわ」と連絡を頂きました。とっても喜んでいただけました。被災地を忘れられそうな現状で、こうしてみなさんが各地から応援してくれることが何より被災者の方の心の励みになります。

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また、今回は元スタッフの宮古島の仲間から特産のマンゴーを毎年被災地に届けて頂き、作り手さんにプレゼントしました。東北ではめったに生のマンゴーをみないので、みなさん珍しい南国のフルーツを堪能しています。

マンゴー_s.JPG

〜まけないぞう一言メッセージ〜

東日本大震災から4年が過ぎ、被災地以外の人々は、もう忘れているように思われますが、何年過ぎても、大きな地震があるとあの日を思い出し、メンタルが少しおかしくなります。それでもこうして「まけないぞう」を作らせて頂くことで、心のどこかで安心を手に入れていると思います。これからもよろしくお願いします。
(2015/6/6 宮城県石巻市 女性 58歳)
posted by 被災地NGO恊働センター at 10:50| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月09日

【東日本大震災】レポートNo.260

先日増島が岩手に入っていた時のレポートの続きをお届けします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  6月8日
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 新緑の中、紫陽花を眺めながら沿岸へ車を走らせます。でも沿岸に行くと、その光景の落差に心が折れそうになります。トラックがこれまで以上に行き交い、復興道路や防潮堤、かさ上げといったハード面の復興が進み、被災者の人たちが取り残されているよう気がします。

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3月に訪ねたときには、いつ家が建てられるのかわからないと言っていた作り手さんの一人が急きょ自力再建へ向けた動きが始まり、この7月には新築へのお引越しが完了するということでした。新居ができたらそこに飾るためのタペストリーを作っておられました。

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 また、同じ地域で被災されて高台移転を待つ、作り手さんは来年の4月まで土盛りが終わらずそれ以降に土地の明け渡しがあり、それから家の建築がはじまるそうです。けれどそれはあくまでも予定なので、どうなるかはわかりません。「いつも行政には裏切られているからもう期待していないけどね」とため息交じりのつぶやきが聞こえてきます。
その方の旦那さんは、この3月に心筋梗塞をおこして入院されたそうです。「弱いところは見せないのよこの人は」とお友達が言いました。そんなことに気づけず、必死にがんばっていた彼女の気持ちを思うと、いたたまれない気持ちになりました。
 そんな彼女がメッセージをくれました。
「あの日から4年、復興も思うように進まず、家族が思いもよらない病気をし気持ちがしずみがちなり、何もしない日がつづいた時、自分がしっかりしないとと思い、ためしにぞうさんを作って見ました。一つまたひとつそのたびに気持ちが楽になり、がんばれそうな気がしました。ほんとうに(まけないぞうさん)ありがとう。」
まけないぞうが彼女に寄り添っていてくれました。

 仮設の統廃合も進みつつあり、せっかく慣れた仮設を引っ越さなければならない状況がくるかもしれないという不安があり、「私たちは仮設から仮設への引っ越しはしたくない、ここを出るときは最後にしたい」とおっしゃっていました。

お手紙_s.jpg

 土盛りは各地で進みつつありますが、小学校が取り壊され、津波でも大丈夫だった家々が移転を余儀なくされ、山の木々が伐採され、巨大コンクリートで街を囲み、これがみなさんが望んだ街並みなのかと思うと、複雑な気持ちになります。

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造成作業中に遺跡がみつかり、造成が遅れているようです。

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高台造成_s.jpg
posted by 被災地NGO恊働センター at 16:32| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月29日

【東日本大震災】レポートNo.259

6月に、再び岩手県に入った増島のレポートをお届けします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  6月
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 毎日のドライブも緑に包まれた風景のなかをひた走り、とても心地よいです。今日は大船渡方面にお邪魔しました。

災害復興住宅へ移った人たちの暮らしはどうでしょうか?この3月に復興住宅へ転居したぞうさんチームに大船渡まで会いに行きました。田園風景に突如現れた近代的なつくりのマンション。なんだかとても違和感があります。

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 この日は4人のメンバーが久しぶりの再会です。4人のうち2人は自力再建、あとの2人が復興住宅へ入居されました。立地もとても近いのですが、仮設から引っ越して以来3ヶ月ぶりの再会だそうです。やはり仮設と違って、行き来が格段と少なくなります。でも今日は久しぶりの再会に大笑いです。Makenaizoneのみなさまからのお手紙もお届けしました。お一人の方は高血圧でお漬物を控えるようにお医者さんから言われているのですが、「やっぱりお漬物がないとね〜」とパクパク。お友達が心配して、「食べすぎだよ!」と注意すると、「大丈夫!先生に聞かれたら『食べてない!』っていうから」と。(大爆笑)「みんなに久しぶりに会えて楽しいね。こうやってみんなで一緒に食べるとおいしいよ」と笑いが止まりません。集会所はあまり使われていないようで、何かきっかけがあるとみんな集まれるんだろうな…。

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 〜まけないぞう一言メッセージ〜
 増島さんが、3月にお出での時「私たちは災害公営住宅に移りますけど、続けますか」と言ったら「はい行きますよ」と事もなげに、当然のごとくに。阪神・淡路大震災の大震災から20年、東日本大震災から4年、未来へ伝えていくべく行動のひとつと思い、増島さんたちが来て下さるうちは続けようと思う。あと何年続けられるか(年齢的に)未来へのタスキを渡すために、何故なら私たちは当事者なのだから。
(2015年6月15日 86歳女性 大船渡市綾里)
posted by 被災地NGO恊働センター at 16:41| ★「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月21日

【東日本大震災】レポートNo.258

6月に、再び岩手県に入った増島のレポートをお届けします。

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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  6月7日
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 この日は快晴の中、いつもお世話になっている釜石の不動寺さんへ高田の作り手さんとお邪魔しました。新緑が眩しいくらいに美しいこの季節の沿岸までのドライブは最高です。

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 作り手さんのお一人は年明け早々、仮設の部屋のなかで転倒して肩にヒビが入りしました。地元の病院では対応できないということで、娘さんのいる東京の病院で手術をしました。けれど、検査をしたり、1000人も患者さんが手術を待っていて、こちらに戻るまでになんと4ヵ月もかかってしまいました。大の仲良しのお二人は久しぶりの再会にとても喜んでおられました。作り手さんは「やっぱ田舎はいい!都会のマンションの部屋は鍵かけて、外にも出られず、まるで牢屋だった」と生まれ育ったところが本当に愛おしいように話してくれました。彼女はかさ上げするもとの土地に自力再建をしようと、ずっと仮設で暮らしています。

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 相方の作り手さんは、少し年上ですが、避難所からずっと一緒に過ごしていた人がいなくなり、いつも電話をかけてたりしていて、とても寂しい時間を過ごしていました。機会があって東京に行くことになり、わざわざ怪我したお友達に会いに行ったそうです。彼女は「東京まで会いに行ったんだから、ほんと寂しかった、帰って来てくれてほんとよかった」ととても喜んでいました。そして、彼女はこの秋ごろにできる復興住宅へ入居する予定です。
そうなると、立地は近いのですが、お二人が自分の都合で頻繁に会うことはできるなくなります。それが寂しい限りです。彼女は「復興住宅なんか入ったら、もう部屋からでないよ」と。マンションという住まい方は、沿岸の人たちにはやはり合わない気がします。

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 そうこうするうちに、釜石のお寺に到着しました。まずは、お参りを。。。
中にお邪魔すると、なんと可愛らしいぞうさんたちがお出迎えです。なんと娘さんが手作りで作ってくれたそうです。

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お二人とも、お寺さんに久しぶりに来れて、とてもうれしそうです。いつも物資やタオルをご寄付いただき、「まけないぞう」の販促にも力を入れてくれています。副住職さん手作りのお昼をごちそうになりました。そして、今回高野山開創1200年という年にあたり、高野山真言宗の本山(和歌山県)の金剛峯寺において、「まけないぞう」を販売してくれました。そのお便りをみて、「これなら帰って家族に自慢できるな!」と嬉しそうにお便りを読んでいました。いつか高野山に訪れたいと二人の夢は膨らみます。

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 帰り際には、なんと境内に流れる清水のほとりに、「みず」、「しどけ」という岩手ならではの山菜を収穫。ボランティアさんに手を引かれながら、大の仲良しさんに退院祝いにと夢中で採ってくれました。

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久しぶりの再会に話も弾み、とても清々しい一日を過ごしました。今日も一日感謝です。

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 〜まけないぞう一言メッセージ〜
 今年で震災から4年が過ぎました。まだまだ高台移転が決まらなく仮設で生活しています。震災直後に「まけないぞう」さんに会えて、心の支えに毎日頑張って作っています。全国の皆様に喜びをと思い、自分も癒してもらいながら生活しています。これからもよろしくお願いします。
(2015年6月15日 女性 大船渡市赤崎)
posted by 被災地NGO恊働センター at 10:50| ニュース・情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする